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おだやかなゆるし

 昨日、久しぶりに行った場所での出来事です。

食事を終えて、さあ出ようと車に乗り込んだとき…

 「バン!!!」…と大きな音が。

隣に停まっていた車がバックしながら向きを変えようとして

そのままだいぶ後ろに停車中の車の正面に当たった音だった。

運転の苦手なわたしでも、何が起こったのか?…すぐに理解できた。

ちょっとだけ、様子を見ていたら、運転者の年配女性が近づいてきた。

夫に一緒に、当たった車の現状を見てほしいとのことだった。

女性は、ぱっと見た目に大したことない…と思っていたようだった。

けれど現実には、ショッキングな破損だった。

女性は取り乱していたので、まず落ち着いてもらうことにした。

その間に夫が、その女性の車を移動させて、店内で食事中の当ててしまった車の

持ち主さんを呼び出してもらい、状況説明し、駐車場に来てもらった。

大切な車(帰り道に夫から聞いた内容:高くて、とても綺麗に乗っていた車)を

破損したにもかかわらず、駆け寄ってきた持ち主の男性が初めにかけた言葉は

「お怪我はありませんでしたか?」

だった。・・・すごい!なんて寛大なひとなんだ!

言葉や仕草ひとつひとつが丁寧だった。

奥様も一緒に来てくれて、わたしは状況を奥様にお話した。

今日は遠方から来ていて、この後もまだ長距離を走る予定があること、

実はもうすぐその車を手放すことが決まっていることなどを聞いた。

奥様にはご主人様の内心の動揺ぶりがよくわかると話してくれた。

「でも、優しい人だから、たぶん大丈夫です。」

…と笑顔で言い切った奥様も、本当に優しくてすてきだった

年配女性も落ち着くといろいろとご自身のことを話してくれた。

今日は一人で来たけれど、そばに見てくれるご家族がいて、

きちんと生活されてきたことがわかることを物質的にも持っていられた。

わたしはこの時、その場に、表現しづらい、穏やかを感じた。

エネルギー、と呼んでよいのかもしれない。

大きくて、やさしくて、温かいけれど、強い、すべてを包むような

空気の層のようなものが、あの時あの場にたしかにあった。

あの場所にいた誰かの固有なものではなく、みんなが創った世界。

小さいけれど、それがあそこに一瞬で出来ていたのだ!!

今、ふりかえってそう感じる。 

 また、この出来事で ”ゆるす” ということも学べた。

すぐに女性をゆるし、受け入れた車の持ち主さんたちは、

もしも、いつかのこの先に何か待っていたとしても

あたたかい ”ゆるし” を受けるのだろう。

そして、ゆるしてもらった女性はこれまでもきっと何かをゆるし、

このあともゆるしていくのだろう。

ゆるし、ゆるされていく・・・

 

 帰り道、わたしはとても良い気分だった

そうだ!終始落ち着いて、女性に代わっていろいろと動いてくれた

わが夫にも感謝だった! えらいぞっ

たいへんよくできました!! 

(なのに、夫は今日、食あたりです。なんでだろ

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